特集 結核—看護の対象としてとらえてみると
調査報告
結核患者の実態から考える
石幡 輝保
1
,
向井 佐智子
1
,
小串 英子
1
,
新井 信子
1
,
小畑 由起子
1
1神奈川県川崎市川崎保健所衛生看護係
pp.82-86
発行日 1977年2月10日
Published Date 1977/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205804
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はじめに
結核は早期発見・治療などの進歩により,重症患者が減り,登録患者は軽症化の傾向にある。また結核の保健指導も長い歴史の中で,ある程度の経験を積み重ねてきている。しかし日頃実施している結核に対する指導活動が,これで十分であるかを問いなおし,地域的に問題の分析をすることで,結核対策および保健指導の充実への一助となると思われる。当保健所での結核指導活動は,昭和49年の訪問および面接の件数のうち38%をしめている。この日常活動の中で"当保健所は結核が多く,しかも重症者が多い"ことを問題点としてとらえてはいたが,その理由として管内には単身住所不定労務者が多く,それらの患者は重症者が多いためということで片付けられがちで,管内一般住民には問題が少ないかのような錯覚に陥る危険性をはらんでいる。
そこでこれらの特殊な層と一般住民とに分けて検討し,その結果を参考に,当保健所の看護活動のあり方をみなおす必要を感じ,この調査を行った。
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