1さつの本
—津川 武一 著—多くのことを学んだ"医療を民衆の手に"民衆社
貴志 芳子
1
1和歌山県岩出保健所
pp.367
発行日 1973年5月10日
Published Date 1973/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205290
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"私は津軽が好きだ。ここに生まれ,育ちそしていま,すぐれた仲間たちとともに,一人の医師としてしごとをしている津軽にかぎりない愛着をおぼえる。だが,それにもまして私は津軽の働く人びとをこのうえなく愛している。……"このことばで始まる"医療を民衆の手に"のたたかいの記録を読んで,私は深い感動とともに多くのことを学んだ。
1昨年の秋,東京で開かれた新日本医師協会の研究集会に参加し,アルコール中毒,嗜癖問題の分科会で,本書の著者津川武一先生のひととなりに接する機会を得た。冒頭のことばの熱さが胸に伝わってくる思いで,先生の一言一言に耳をかたむけた。津軽保健生活協同組合がいくたの激浪をのりこえ,いま活動のすそ野を津軽一帯にひろげている。その力の源を目のあたり見たような気がした。
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