--------------------
民衆の参加がよりよい医療をつくる—フランスの病院の歴史をみて
高橋 勝三
1
1武蔵野赤十字病院・外科
pp.106-109
発行日 1972年10月1日
Published Date 1972/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204815
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まえがき ヨーロッパの病院をめぐって気のつくことは,規模の大きいこと,病院といえばまずほとんどが公的機関であること,僧衣をまとった尼さんのいることである.
数年前羽田沖で外国の飛行機が落ちたとき,外国人のケガ人が出て近くの病院に収容された.早速当該国の大使館から人が来て,早く病院に移してくれと言う.当病院長の曰く,‘ここが病院だ’と.それで間に立った方は包帯材料などをことづけて引き下がったわけだが,この話は外国とわが国で病院という概念がかくも異なるものかと思うのである.彼らにしてみれば病院とはベッド500,700,1000とあって,各分野の専門医がゴロゴロしていると考えるのである.つまりわが国のほうが中小企業的なものが多いという印象である.
![](/cover/first?img=mf.1541204815.png)
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.