資料 健康管理論 序論4
健康管理論の学際性
田中 恒男
1
1東大医学部保健学科
pp.26-29
発行日 1972年3月10日
Published Date 1972/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205047
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健康管理論を支える諸科学
健康管理という表現の是非は別として,健康を擁護するためのしくみ,操作operationは,特定の技術の独占するものでないことは,いままでの記述に明らかである。とどのつまり健康にかかわりをもつあらゆる諸技術の総体として,健康管理が成立することになる。この意味で,過去約十年の間に健康管理という行為の体系は,大きく変化したと考えてよい。このための方法について,かつて勝沼は
ヘルス-アドミニストレーション
ヘルス-エデュケーション
ヘルス-サービス
の三つの柱を主張した*。
これらの用語をあえて仮名書きにしたのは,それなりに意味がある。たとえば,ヘルスーアドミニストレーションhealth administrationとは,保健・医療を社会に展開していくための制度的,管理運営的操作のいっさいをいう。したがって,これを単純にパブリック-ヘルスーアドミニストレーションPublic health-administration,すなわち衛生行政と訳すことは誤解を生む一因だからである。同様にヘルス-エデュケーションを衛生教育と訳して,事業と感違いされることも本旨をゆがめ,ヘルス-サービスもサービスという用語が日本的意味合いにおいて誤解される危険があるために,ここではあえて仮名書きとしたものである。
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