実態をさぐる
婦人労働と健康問題
pp.78-79
発行日 1970年3月10日
Published Date 1970/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204638
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近年におけるわが国の産業構造の飛躍的拡大は,世界的に異例なまでの高度経済成長を示すに至った。また,それに伴なった雇用労働力の要求も異常に増大し,その過程において婦人の労働力の要求も急激に高まり,それによるウエイトも増してきている。
こうした婦人労働力の増加は,戦後の民主化による婦人の社会的地位の向上や,生活の近代化に伴なう所得倍増の必要性から婦人の労働意欲を促進させたなど供給側の要因のほかに,需要側として低廉かつ忍耐強い婦人の労働力を要する分野がとみにひらけてきたこと,などが大きくそれにあずかっている。しかも,今後わが国では義務教育直後の新卒者や農家などからの若い労働力供給の減少も予想されるので,これから供給の増加が期待できるのは既婚婦人の労働力であることは確かであろう。
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