調査研究
病人をもつ家族の問題—自宅死亡の患者の事例
西野 美知子
1
,
中島 紀恵子
1
1大阪府立公衆衛生学院
pp.38-46
発行日 1969年3月10日
Published Date 1969/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204392
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I.はじめに
人口の老齢化や都市過密化など著るしい社会の流動がひきおこす,医療上の諸問題のなかでも,個々の人に必要な医療,ならびに健康回復までの看護や保護をどのように提供するかというのが公衆衛生上の大きな課題であると思われる。なかでも緊急かつ切実な問題は病態の進行によっておこる,脳卒中,脳軟化,および心筋梗塞などの急性症や,老弱者の生活や医療上の世話をどうするかという点である。
今日,若い生産人口にあふれている日本でも近い将来,かつてどこの国も経験したことのないほどの激しい速度で人口の老齢化がおこり,個人としても,社会としても同様の苦渋をなめなければならないことは明らかである。それにそなえての看護の対象,技術,方法の再検討をうながす意見も多い。
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