病人家族の生活構造・1
病人家族へのアプローチ
笹谷 春美
1
1北海道大学教育学部
pp.637-641
発行日 1978年10月25日
Published Date 1978/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907257
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病人家族と生活問題
‘思いっきり笑って,思いっきり走って,思いっきり恋をしてみたい’—これは北海道難病連の“難病白書”(昭和50年)のサブタイトルに用いられた,ある青年患者の言葉です.この言葉には,おそらく万感の思いがこもっていることでありましょう.私たち健康人が全く何気なく行っている動作が,彼にとってどんなに困難なものか.何の苦もなく笑い,話し,活動している人が,彼にとってどんなに眩い存在か—.
しかしながら,患者個人のこのような肉体的苦痛・精神的な苦渋さえも,‘難病’という言葉の定義からすれば一部にすぎません.
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