特集 保健婦現代史―そのあゆみとゆくて
保健婦さんへ/期待と提言
私は保健夫—保健婦は役人になってはいけない
石垣 純二
pp.120-121
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203843
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わたしはこのごろ自分は保健婦だと感じることがますます多くなった。保健婦がいけないなら「保健夫」でもよい。なぜなら朝起きて夜眠りに入るまで,わたしは保健指導しかやっていないからである。
見知らぬ人から電話がかかってくる。辛棒づよく訴えを聞いて,適当な医者を紹介して上げる。局でカメラ,リハーサルをしている。局員が奥様の不妊を訴える。「えっ結婚8年,そりゃ大変,結婚1年1度も妊娠しなかったら不妊症なんだから,すぐ専門医に行かなくちゃ」そこでT博士を紹介する。半年して忘れたころに電話で奥様の妊娠を報らせてくる。「とてもこの倖せが信じられません」と声が弾んでいる。「お目出とう」祝辞をのべつつ「なぜもっと早く相談してくれなかったのだろう」とふしぎに思う。
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