講座
これからの保健所の保健婦
石垣 純二
pp.6-9
発行日 1952年8月10日
Published Date 1952/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200330
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まわれ右時代きたる
今や世の中は完全な廻れ右時代です,平和を叫ぶものが赤よばわりされるという奇怪な時代です。この反動期にまず血祭りにあげられるのは衛生行政でしよう。今後年々,衛生行政は大阪城の落城前夜のごとく,一塁一塁を抜かれて行くでしよう。保健所の繁栄期は終りを告げましたしばらく守成の時代に入るものと覚悟しなければなりますまい。
保健婦自体についても,終戰後,アメリカ側の特別の庇護や援助をうけて,三婦の中では,際立つて躍進して,一般のそねみを受けてきただけに,苦しい反動期に堪えねばなりますまい。こうした情勢を展望しつつ,明日の保健婦に自粛自戒を求めるのは,保健婦事業のフアンとしての義務であろうと信じます。
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