--------------------
健康をよろこぶ運動
直江 重雄
1
1富山県国民健康保険団体連合会事務局
pp.65-67
発行日 1966年7月10日
Published Date 1966/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203703
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.この運動を起こした動機
国民健康保険の仕事は,病気にかかった人や,怪我をした人に医療を行なうのがおもな目的ですが,もう一本たいせつな柱があるはずです.それは保健対策であります.しかるに従来ややもすれば,保険給付にウエイトを置き過ぎたというよりも,医療給付だけが仕事のように考えられて保健活動がなおざりにされていたと存じます.最近の医療は総合医療とか,包括医療といわれ,治療と予防の一体化,リハビリテーションまで含めたものでなければならないと叫ばれるようになったのも当然のことであります."治療よりも予防"ということは大事なことですが,それではまだ弱いように思います.進んでよい体,強い身体を作るように努力するという積極さがなければならず,健康であることの喜びをもたねばうそだということに気付いたのは3年前のことでした.
当連合会では,昭和38年の5月診療分から,傷病分類の統計をはじめたのですが,月を逐ってどの市町村にどんな病気がどう発生し,それが県全体でどんな傾向を辿っているかということがわかってきましたので,この生きた統計,新しい統計を片手に持って何らかの運動を展開したいという意欲が出てきました.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.