想園
看護するよろこびに心を向けて
市瀬 悠子
pp.72-73
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912247
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人間性を抹殺されそうな忙しさのなかに矛盾をかんじつつ働くナース,業務のこと,夜勤のことをめぐって看護という仕事のなかにある問題,隘路が強調されるあまり,女性の職業としては過酷な労働だと悲劇的なニュアンスさえ感じられる昨今の論調です。
看護はそんなにも耐えがたい非情な職業なのでしょうか。わたくしは看護のもつあたたかさ,意義とよろこびの面にも心を向けたいと思います。ひとりの人を知ろうとするとき一面からのみ見るのではなく,多角的に,総合的に,そしてその人をとりまく環境,成長過程を知ることがたいせつだと思います。教育もその人のもてるものを引き出し,それを育ててゆこうとする態度,よい部分に働きかけるあり方がのぞましいと学びました。
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