特集 上手な話し方
よろこびを共にする話し方
戸川 エマ
1
1文化学院
pp.78-81
発行日 1957年5月10日
Published Date 1957/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201412
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保健婦さんのお仕事について,ほんとうのところ,私はつぶさに存じませんけれど,さぞ骨の折れるその上地味な報われることの少いお仕事ではないかと想像することは出来ます.医者のない山村の僻地を何里も歩かれたり,無智であるため,迷信のとりことなつている,かたくなな人々に,けんもほろろに扱われたりなさることもおありでしよう.人々の保健衛生のため,それほど苦心なさつているのに,余計なことだと云わんばかりに冷遇されることも,きつと一度ならず御経験なさつているのではないかと思います.そんな時,みなさま方も血の通つている人間です.思わずムツとなさること,腹立たしくなることもおありになるに違いありません.私たちも,その人の状態をよりよくすることを願つていても,売り言葉に買い言葉で,とげとげしい言葉が口から出てしまうことがよくあります.
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