研究報告
岩手県における保健所保健婦の家庭訪問実態調査=2
岩手県厚生部
pp.37-44
発行日 1966年7月10日
Published Date 1966/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203695
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3.訪問指導
(1)面接者の態度
対象者または面接者の衛生に関する関心度合いをみると,農山漁村では関心の度合いが低く,市街地・鉱山では高かった(第28表).これは市街地,鉱山には俸給生活者が多く農漁業労働に従事している者よりも,衛生に関する関心をもつ時間的余裕が多いことを示しているものと考えられる.訪問種別ごとに衛生に関する関心度を調べたところ,成人病・妊産婦においては「関心がありすぎる」とするものの率が高く,その他の疾病・結核・乳幼児にあっては「関心なし」とするものの率が高かった(第29表).この関心度は,新聞,雑誌,テレビなどマスコミに影響されるところが大きいと思われる.
対象者または面接者の,保健婦の指導に対する協力程度をみると第30表のとおり「協力的」が回数を重ねるにつれ少なくなるが,これはケースがむずかしくなるためと考えられる.しかし「どちらでもない」や「非協力」にあっては,回数を重ねるに従って減少していること,他保健婦が訪問指導した場合非協力のケースがほとんどなくなっていたことから,今後の指導においては,回数を重ねて人間関係を密にすることと,必要によっては他保健婦の指導も時折りおりまぜることがたいせつではないかと考えられる.
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