保健婦のあゆみ
沢口としさんのこと(2)
土曜会歴史部会
pp.45-48
発行日 1966年7月10日
Published Date 1966/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203696
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吉田病院時代
さて,前記しましたように,彼女は満16歳で吉田小児科医院に住み込んだわけですが,人一倍向学心強く,将来,栄養士となることを希望し,そのためには,まず専検を取らねばと,働きながら神田駿河台にある高等予備校に通い,英語と地理を残して他の学科はすべて検定をパスしました。
しかし惜しいことに彼女が21歳の昭和4年,父が突然亡くなってしまいましたので,やむなく中途で進学を断念し,以後父に代って母や妹たちの相談相手となって,その頃から毎月,母のもとへ妹の学資として送金をつづけるようになりました。そして自身はいよいよ腰を落ちつけて,病院勤務に専念し,昭和6年24歳で看護婦の検定試験に合格して,その暮には吉田医院の婦長となりました。
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