特集 疲労
保健婦と疲労
大国 美智子
1
1阪大公衆衛生教室
pp.21-24
発行日 1966年7月10日
Published Date 1966/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203687
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まえおき
「保健婦と疲労」という題で,何か書くようにすすめられた時,正直のところ,私は,気がすすまなかった.というのは,保健婦さんに関する今までのいくつかの研究は,あまりにも数字や理論で割り切りすぎている感じがしていたし,ことに,"保健婦の疲労"などという問題は,そのような分析の仕方では,到底,その本質に到達し得ないであろうと思ったからである.
私が保健婦さんたちから,「疲れる」とか「しんどい」という言葉をさかんに聞いたのは,今からもう10年余りも前のことである.当時,それらは「保健婦さんの仕事量があまりにも多すぎる」ということと結びつけて考えられていた.タイムスタディや,登録カードの整備や,集団指導への転換など,さまざまの方法によって,保健婦業務から雑用をなくすように時間を有効に使うようにという努力が始められたのは,それから間もなくのことであった.それ以来,保健婦業務は改善に改善を重ねて今日にいたっている.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.