特集 疲労
「社会」の疲労と「個人」の疲労
西川 滇八
1
1日本大学公衆衛生学教室
pp.282-292
発行日 1972年5月15日
Published Date 1972/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204468
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
生理的疲労と社会的疲労
毎日続けている仕事でも,休憩せずに何時間も続けていれば疲れてきて,肩や脚の筋肉が固くなったり,痙攣をおこしてくる.このような疲労は,一種の生体の防衛反応であって,これを見過ごして,さらに継続して仕事を続けると,食欲はなくなり,体重は減少し,時には発熱して,疲労困憊におちいり,作業能率が著しく低下して,ついには作業ができなくなる.
しかし,疲労の徴候があらわれるか現われない内に,しばらく休息してから再び仕事を始めるようにすれば,作業能率もおとさず,病気にもならず,災害や事故のおこる危険も少ない.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.