Japanese
English
特集 睡眠の制御と機能
疲労・慢性疲労と睡眠
Fatigue/chronic fatigue and sleep
渡辺 恭良
1,2,3
Watanabe Yasuyoshi
1,2,3
1理化学研究所健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム
2理化学研究所生命機能科学研究センター
3日本疲労学会
キーワード:
疲労
,
慢性疲労
,
睡眠の質の低下
,
副交感神経機能低下
,
抗疲労
Keyword:
疲労
,
慢性疲労
,
睡眠の質の低下
,
副交感神経機能低下
,
抗疲労
pp.63-67
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201121
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一般社団法人日本疲労学会では,「疲労は,通常のパフォーマンスを発揮できなくなる状態」と定義して,客観的に定量計測している。もちろん,疲労・倦怠感の主観的部分も非常に重要で,客観的・主観的疲労の計測が大体できてきたことが筆者らの研究成果でもある。そのような疲労の客観的・主観的尺度を用いると,定量的な計測値を得ることができるため,疲労・慢性疲労の分子・神経メカニズムに関する研究も統合的に推進できてきた。われわれのオーバーワークによって,活動担当細胞内やその周辺で,生体酸化,炎症,修復エネルギーの低下により,様々な継続時間を表出する疲労(機能低下)が起こることがわかった。疲労時の神経系では,脳内の酸化現象,脳内炎症,エネルギーの低下も明らかになり,セロトニンなどの神経伝達機構の機能低下も判明した。このメカニズム解明研究を通して,睡眠の問題,特に睡眠の質の低下からの疲労・慢性疲労のメカニズムを探ることにより,疲労・慢性疲労への対処法,“抗疲労”方策・製品の開発に資することができる。
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