看護婦がホンネで語る医療事故・5
看護婦の疲労・ストレスがミスを招くのか!?—疲労調査と現場の気持ち
西村 浩一
pp.850-855
発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906053
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ナースは疲れている.だから,事故が起きるのだ.と,言ってしまうと,あまりに短絡的な感じがするし,何だか責任の所在を曖昧にしたいがための,言い訳のように聞こえなくもない.だが,確実に看護婦は疲れているという研究報告が今年3月,発表された.
上畑鉄之丞・国立公衆衛生院次長を主任研究者とした厚生労働省研究班(以下,上畑研究班)の報告書「看護婦の交代勤務の改善に関する研究」によれば,看護婦は一般事務などの他の女性職種と比較して,仕事の要求度や職務ストレスが大きく,とくに夜勤によって身体に大きな負担がかかっているという.これは,看護婦の主観ではなく,交代勤務状況の調査や,夜勤に従事する看護婦の身体疲労状態を測定したデータなどから導き出された結論であって,科学的な事実である.
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