連載 保健指導を科学する・1【新連載】
農村地域住民の思考様式をめぐって—文化・社会・地域の問題をどう保健指導の前提とするか
波多野 梗子
1
1東大医学部保健学科
pp.77-79
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203552
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社会によって人びとの考えは違う
保健や医療と文化・あるいは社会との関連でまずあげられるのは,文化・社会が異なると,疾病の種類や死亡率,平均余命といった,人びとの健康の像が異なるということであろう.すなわち,生活様式の違いが大きな要因となって,そこの健康現象に差が生じるのである.さらに,文化の向上が健康度の向上に深い関連をもつこと,あるいは都市と農村といった地域の差も疾病の像に関係することが,公衆衛生学的にこれまで示されてきている.
しかし,これらは保健指導の重点のおきかたとは関連してくるものの,その方法とは直接関係がないので,ここではこれ以上考慮しないことにしよう.
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