特集 保健婦はなにをする人か
保健婦の記録
部落単位の健康管理をめざす
岡崎 弘子
pp.22-25
発行日 1965年1月10日
Published Date 1965/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203286
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役場の私の部屋
○月○日,月曜日,晴
8時30分.私は駐在所である役場の2階の事務所に坐っている.今日はすばらしくよく晴れた空が窓から見え,すがすがしくて気持ちのよい秋の天候が私の気持ちを新鮮なものにしてくれる.今から今日の私の仕事が始まるのだと思うと緊張した気持ちになる.
私の事務所の机の横には,家族管理カードを保存してあるキャビネットが2つ,私の部屋を事務所らしい雰囲気にしている.壁には,保健婦業務12の原則.大川村の地図,39年度衛生事業計画,部落別の各種統計などが部屋をにぎやかにしている.私が統計をとる場合は,いつも部落単位にしてその部落と村全体,県との比較のできるように作成することにしている.机の上には訪問箱と有線電話がある.有線電話は私の駐在地である大川村内の部落に配線されているもので,私のほうから連絡をとる場合もあれば,部落民のほうから相談のためにかかってくる時もある.電話で用のすむ時もあれば,計画外の訪問をしなければならなくなる時もある.
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