ルポルタージュ
ボイラー部落訪問記
松川 淸子
,
綿内 和子
pp.32-38
発行日 1951年2月10日
Published Date 1951/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200035
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プロローグ
ここに描寫されたものは,戰災都市のどの一隅にも見出される疲れ果てた人々の特異な生活圖繪の一カツトであります。
人口30萬餘を誇る川崎市には,ボイラーを棲家とする三つの生活小集團が存在しています。それは家なき人人の「最後の家」であるかも知れないし,またそれがこの人たちの再生への息吸きをふきこむ「まどいの家」であるかも知れない。そこには數々の語りつくせない物語りがあり,また數々の訴えつくせない問題があります。私はここでそれらの問題を一々かぞえ立てようとは思わない。ただ私が接したままの仕事と生活の一端を記録して,私たちの使命を深くみつめて行くよすがとしたいのであります。
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