特集 保健婦はなにをする人か
保健婦活動—今日の混乱から明日をめざして
松井 清夫
1
,
坂本 弘
1
1三重県立大学医学部生学教室
pp.10-14
発行日 1965年1月10日
Published Date 1965/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203282
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はじめに
つい先日,地区別公衆衛生看護学会の席上,10年選手といわれるベテランの保健婦から,「保健婦活動とはいったいなんなのか,今日ここで,なにかをつかみたくて出席したのです…….」という発言があった.ベテランなるがゆえの問題提起であり,その発言のうらにひそむ保健婦活動の歴史,現在の保健婦活動の転換期にたった危機感がひしひしと感じられた.この問題を一番切実に感じとっておられるのは,実は本誌読者自身でもあろう.
日本の公衆衛生活動の中で,最も住民との接点にたっている重要な仕事が保健婦活動であり,公衆衛生活動の理念が転換期に来ているがゆえに,それが保健婦活動にも反映して混乱が生じてきているのだともいえる.このような立場から,問題をとり上げてみようとする.
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