第21回日本公衆衛生学会に出席して
保健婦のイメージ作り
池田 晶子
1
1グループ・トーチ
pp.65-66
発行日 1964年11月10日
Published Date 1964/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203258
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強烈だった石垣先生の発言
第21回の公衆衛生学会は,札幌で9月18日から20日まで開催されたが,それに出席して感じたことをここでのべてみたいと思う.特に,第3日めの第6分化会――衛生行政・衛生統計・社会保障・公衆衛生看護――のシンポジウムで最後に指名されて発言された石垣純二先生の発言は強烈かつ痛烈なものであった.
すなわち橋本秀子先生は保健所保健婦・婦長・所長などにアンケートを出し,保健婦業務がなんであるかという手がかりとして,1つの業務を保健婦が行なうべきものか否かを質問したものであるが,それが個々まるで逆回答しているものもあり,今さら保健婦の業務の認知の困難,差異の大きさを指摘した報告発表をされた、このことに対し石垣先生は質問の形式で「橋本先生,先生は保健婦が自己の業務認知の不統一を指摘なさいましたが,その点先生はどうあるべきだと考えていらっしゃるか,また保健婦は各界にわたって実に活動をしているが,その中に統一した思想があるとお思いなんですか.保健婦には統一した思想はありません」と断言をして,満場の拍手を浴びた.会場には保健婦関係のシンポジウムとあってわが活動家保健婦諸姉の勇ましい面々が参加していながら,このことに一言もなく散会となった次第について,この単なるざわめきのみに止め,言うべきことばをもたない保健婦の姿について考えてみたい.
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