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ある生活—水上生活の人びと
浅井 博
pp.2-8
発行日 1964年11月10日
Published Date 1964/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203237
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東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、関門の6大港には、棧橋と沖合の海上に停舶している本船との間を往復して荷積み、荷下ろし、運搬をする港湾業者がたくさんある。ことに神戸では、ザッと1,800そうの艀船があり、ハシケ勤務者の約半数の1,700世帯(家族も含め約6,800人)が、船内居住をしているといわれる。
彼らは船後尾の2m四方の穴ぐらのような船室で、ふとんや炊事道具、身の回わり品を持ちこみ、暮している。生活は、電気もガスも水道もなく、石油こんろを持ちこみ、水も、野菜も、米も陸上に求めなければならぬ不便な生活である。彼らは1トンについて60円で水を買わなければならない。
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