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公衆衛生専修士制度は当分お預け/住民は知らない保健婦の家庭訪問
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pp.57
発行日 1964年5月10日
Published Date 1964/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203115
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1昨年の暮に公衆衛生教育制度の将来について,公衆衛生教育制度研究協議会から意見書を提出された厚生省は,医師については,公衆衛生修学生に対する当初の講習を新制度による基礎課程に吸収したり,保健所長に対する保健所管理課程を設けるなど,当時実現の可能であった部分については,すでに38年度から新制度を採用した.そして,大部分については,意見書の検討とその事務的処理のために1年間の余裕をとって,39年度から漸次新制度による体制を実現することを約束していた.今回,国立公衆衛生院の養成訓練規程が改正され,4月1日から施行されているのであるが,これによって厚生省の今後における公衆衛生従事者の教育訓練に対する熱意のほどを推測する目安ともなろう.そしてその改正の要点は,養成訓練の体系を各課程の名称・その目的・期間・入学資格などについて,前記の意見書に盛りこんだのである.意見書の内容そのものが,職種によって精粗の差があり,また具体的にとり上げられていない職種もあるので,新しい養成訓練規程と意見書とは当然異なった部分もあるが,現在の公衆衛生従事者の実態および受講生の派遣などの現状から考えると,意見書の内容をそうとう十分に尊重した態度といえよう.しかし,今回の改正で教育訓練の大綱が確立したわけではなく,公衆衛生院の養成訓練規程の改正という小さな枠のなかではこの程度のことしかできないという意味である.
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