特集 保健所再編成の動き
第Ⅲ部 現場の声
保健婦は住民にとって真の味方か
Y生
1
1某県某市役所
pp.116-117
発行日 1971年3月10日
Published Date 1971/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204891
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保健婦って結局なんなの
1970年から71年にかけて,わが家に1人の青年が滞在した。というといかにも長い間みたいであるが,正確には,暮れから正月にかけての2泊3日の居候であった。三里塚で反対派農民とともに闘ったというこのヤングパワーの青年は,ある国立大学を中退して,現在バイトをしながら自分の信念に従って行動し,生きている。その真剣な青年の姿に,私は自分が失いかけている貴重なものを見い出し,感動した。
彼は私の職業に興味を持ち,いろいろ尋ねたので,保健婦のP. Rここぞとばかり,「地域住民の健康コンサルタントで,具体的には,こんなことを,こういう目的で,こんな手段でやっている」と話した。その時,彼からかえってきた言葉は,「奥さん,保健婦さんて,結局なんですか」であった。彼の言葉をかりれば,「住民にとって,保健婦は敵なのか,味方なのか。公害問題1つとっても,公務員という立場で,全国に広がりつつある住民運動に,水をさすようなことをしていないか。公害は,もはや部分的なものでなく,反体制の闘いの中で今後エスカレートしてゆく。そんな時,あなた達保健婦は,どういう立場をとるんですか? 住民の健康管理者として」
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