特集 もう,家庭訪問で悩まない
家庭訪問で広がる支援―個から家族へ,そして住民へ
田口 玲子
1
1東京都狛江調布保健所保健サービス課
pp.28-33
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100040
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保健所に寄せられる精神相談は,個人の問題というよりは個人を中心として家族問題に発展したり,家族の問題が個人の問題行動として表出していることなどが往々にしてあり,保健師は対応に困難を感じることが多い。その状況を面接で把握することもあれば,家庭訪問などで家庭の状況を見たり,家族と会って把握することもある。特に家庭訪問の場面では,相談対象者だけでなく,家族への支援が必要であると判断するケースは多い。
そこで,今回は近隣住民から苦情として相談が持ち込まれた事例で,当事者への関わりから家族の支援へ発展し,保健師が継続的に関わることにより,家族関係や近隣住民が変化していった経過を振り返り,保健師が家庭訪問で果たす役割についてまとめていきたい。なお,事例についてはプライバシーに配慮し,多少の修正を加えた。
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