特集 「行政ウーマン」としての保健婦
「行政ウーマン」としての保健婦のあり方を考える
住民への責任と保健婦のジレンマ
川又 協子
1
1東京都八王子保健所西保健相談所
pp.737-739
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207808
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1.はじめに
団塊の世代の私は,東京都の保健婦として17年間,病院・公衆衛生部・3か所の保健所で働いてきた。私の悩みは7事業課から,各保健所の特色を無視し,一律に降りてくる事業が年々増加する一方で,従来からの仕事が整理できないことである。そのために保健婦の特色をいかす地区活動が,事業にゆさぶられて十分にできていない。
"約束訪問ができない保健婦は信頼されていない"という声をよく聞く。繁雑な事業が多く,訪問の約束すらできない現状にある。そして,"自助の時代"の公衆衛生は,保健所は,どう変化していくのか,不安はつきない。こんなジレンマをもちながら私自身の反省をこめて,いままでの経験のなかから行政で働く保健婦のあり方について考えたことを羅列的ではあるが,いくつかあげてみたい。
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