読者からの手紙
私は保健婦
奥村 怜子
1
1相模原保健所
pp.9
発行日 1963年2月10日
Published Date 1963/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202743
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ねぼうは日曜日と眼もうつろで台所に入る.テレビは10時で「私のみた日本の中学生」という,スエーデン,イスラエル,アメリカ,中国,日本の各国の中学生の座談会がはじまつていました.中学生の学生生活のいろいろの話のあと,司会者が将来の希望について質問しました.この男の学生からは建築家,科学者,外交官,女子学生からは看護婦,新聞記者という希望が出ました.この女子学生の中,看護婦と答えた人はアメリカ人で,新聞記者と答えた人は中国人でした.もし日本の女子中学生が出席していましたらどうでしたでしようか,我が味方を思いがけず得て非常に嬉しく思いました.アメリカでは女性として最高の職業であるとは以前なにかの機会で聞いておりましたが.
また話は変りますが,私がときどき考えさせられていることの一つに,私の保健所の管内に在日米国陸軍医療団本部があります.そこに保健婦が1人居ります.そして陸軍の軍人,家族の健康管理,保健指導,健康教育を行なつております.ときどき連絡にまいりますが,お国柄のこともあつて,よくいろいろな人を紹介して下さいます.その時「私は保健婦です」といい終らない中に,「貴女は保健婦ですか」と,他のいかなる職種の人でも一応親しげな尊敬のあるまなざしで,その場の雰囲気になじませて下さいます.もしこれが日本人であるなら,保健婦についてあれこれと説明させられることでしよう.
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