口絵
ムードのある保健所—明るい清潔な保健所づくりと共同保健計画
小島 武雄
1
1宮城県・塩釜保健所
pp.2-8
発行日 1963年2月10日
Published Date 1963/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202742
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最近つくづく考えさせられるのは,保健所という仕事をする場は,建物にせよ,部屋の中にせよ,また職員にせよ,清潔で,健康的であらねばならないしその様なムードが欲しいものであるという事である。しかし実際は,その反対のところが多いのではあるまいか。建物は古くさいし,部屋も汚いし,職員もつかれ切った様な顔をしているし,これではむしろ被保健所といった方がよい位であるいつだったか,便所にいたら,保健所の便所がこんなに汚いのに,我々業者にはああだの,こうだのとやかましくいうなんてけしからんなぞといっているのを聞いて愕然とした事かある。本当に反省しなければならない事は,こんな事ではないか、建物の古いのは致し方ないとしても,清潔な保健所,温い感じをあたえる保健所づくりはできないものか。あまり金をかけないで清潔にするには,また職員の観念の持ち方等々あれこれ考えたが,結局,まずみんなで徹底的に掃除をしようという事であつた。
化学洗剤を使って再三再四,床を磨いて見たら驚く程きれいになった。便所の金網を取りかえ,蓋を直し,玄関にある履物入を新しく作り,草履もきれいなものに取り換えた。幸い私は絵や写真が好きで,色々集めたものを全部もって来て,各部屋や,それぞれのところに飾った。花瓶も沢山買って部屋や廊下にすえつけ,花の方は所友会の文化部で受持つ事になった。
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