呼吸器病—病態をかえた呼吸器疾患

「結核，もうそんな時代じやありません．」といつた人がいた．編輯子は，その不見識をなげくのと一緒に，ともすれば忘れられた存在に変つた結核の対策が，時に第二義的にあつかわれることを見て，がく然とした．結核はたしかに減つた．しかしまだ国民20人に1人の患者がおり，さまざまな新らしい問題解決を迫られている結核は，かつて華々しく展開された結核対策の時の知識しかもちあわさない人たちにははかり知れない進歩を見せた．リハビリテーション以外にも，結核として考えねばならぬいくつかの問題が，ここに示された．さらに，老人の多くをくるしめる喘息や肺性心にも筆をすすめられたこの論文は，成人病保健指導の基礎的知識にあふれている．