動脈硬化・脳卒中・高血圧・低血圧—老化現象の代表選手

成人病といえば，すぐ高血圧という言葉がうかぶほど，高血圧や動脈硬化は一般化してしまつた．しかし，高血圧というと実行できるかどうかも考えずに，減塩食，労働不可といつた指導指示が，本当によいことなのだろうか．「最も大切なことは，実行可能で，長期にわたつて行なえる方法である」ことを強調される著者は，血管性疾患にユニークな研究をつづけられる学者である．とともに健康管理に関心をよせられている人柄をしのばせたこの論文は，おそらく読者の知識の盲点をえぐり，成人病保健指導の中核にせまるものとなろう．