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特集 アルツハイマー病研究最近の進歩
序にかえて
Introduction
井原 康夫
1
Yasuo IHARA
1
1東京大学医学部脳研究施設脳病理学部門
1Department of Neuropathology, Institute for Brain Research, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.5-7
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901447
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1996年7月24日から29日にわたって大阪で開かれたアルツハイマー病国際会議(International Conferenceon Alzheimer's Disease and Related Disorders)が終わり,その余韻がまだ残った状態でこの序を書いている。この会議は元来HM Wisniewski,K Iqbal,B Winbladによって始められた私的な会であったが,他に同様な会がなく,またアルツハイマー病への関心が世界的になったということで,またたく間にアルツハイマー病の唯一の国際会議との定評を取るにいたり,参加者は急増した。おそらく8年前のラスベガスで開かれた第1回の会議と比較すると隔世の感があると思われる。これまで開かれた会はそれぞれにその時点でのアルツハイマー病研究の特徴を反映している。たとえば会議の評判が大きく飛躍した第3回のイタリアのパドバでの会では,DJ SelkoeおよびSG Younkinが正常細胞が可溶性Aβを分泌するという予想外の観察結果を発表して大きな注目を浴びた。この発表によりそれ以前のAPPのabnormal cleavage説は完全に捨てられたのである。
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