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生きている脳,他
K
pp.44
発行日 1960年6月10日
Published Date 1960/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202111
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1年間にはずいぶん沢山の本が出るものだ.最近はマスコミが発達しているからベスト.セラーも或程度作られてしまう傾向がある.地味だが本当の良い本というものは,やはり自分自身で探さなくてはならない.
W. G. WalterのThe living Brainが,懸田,内薗耕二博士の訳で出版された"生ぎている脳"はこうした意味で,私はこの1年間の良書の一つだと思う.内容は十章と附録の三項からなり,人間の脳髄が如何に発達して来たか,そして脳波などの電気生理学が,脳の機構と作用を解明する上に如何に役立つものであつたか.更に"子供は脳を使つて意志の表現ができる迄はこぶしを以つてこれに代える"というブラウニングの言葉を副題にした第8章では心理学の分野に迄及ぶ解説がある.
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