医学の話題
ジェロントロジー老年学,他
K
pp.70-71
発行日 1957年8月15日
Published Date 1957/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910415
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一寸話は古くなるが去年の暮12月8,9日の両日にわたつて日本で第1回のジェロントジー(老年学)学会が駿台の日本医師会館講堂で開かれた。この学会は“老人と栄養”“老人とホルモン”などを中心に今迄は個々の人達だけで行われていた研究をはじめて一貫した軌道にのせたものとして極めて意義深いものであつた。
嫁をいびる“しうとめ”の意地悪さは昔から世間に通用している処であるが女に限らず,老人になると若い頃とはまた違つた新らしい精神面と身体面の問題が生じて来るものである。日本の病院に小児科が独立の科として認められて来たのに今迄老人科の話を聞かない方が不思議な位である。戦後になつて我国の平均寿命がのびて老人が人口に占める比率が次第に大きくなつてゆく時,医学の中に科学的な基礎を持つジェロントロジーが生まれて来たことは当然のことと云えよう。
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