Mdeical Topics
眼球突出,他
K
pp.84-85
発行日 1964年1月1日
Published Date 1964/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912129
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11月号で内科的にみた眼球突出のはなしが出ましたが今月は眼科的に眼球突出を考えてみよう。一時,外来で《自分の眼は少しとび出しているのではないか》と相談に来る人が多くなった。ある婦人雑誌に,眼がとび出て来るのは悪性の腫瘍によるといった記事が出ていたためらしい。眼がとび出てくる病気,これは眼球突出症といい,いろんな病気がある。外瘍やら出血で急に起こる場合または他の病気の部分症状として起こる場合もある。腫瘍によるものは眼球じしんの腫瘍でも眼球周囲の腫瘍あるいは他の臓器からの転移腫瘍でも眼球は突出して来るが,しかしその数は非常に少ないものである。
いちばんよく知られているのは,バセドウ氏病,この時はだいたい両側で女性に多い。心悸亢進や甲状腺腫大などの全身症状また眼でも眼裂が大きくなったり,まばたきが少なくなったりするので診断はつきやすい。ただなぜ,眼球突出が起こるかは定説がない。子どもで多いのは頭蓋の奇形で眼球が突出してくるもの,なかにはコレステロール代謝異常が原因になっているものもある。いずれにしても全体として奇妙な顔つきをしている。このほか案多多いので蓄膿症などの副鼻腔の疾患。片側の眼球突出の時は,耳鼻科にもよくみてもらわなくてはとんだまちがいをする。
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