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ハイライト
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pp.32
発行日 1959年2月10日
Published Date 1959/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201810
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"淋病はどうか?"
前にこの欄で梅毒の現況を紹介したことがあるが,淋病の状態はどうだろうか.戦争前後に増加,蔓延した淋病は,スルフア剤,ペニシリン等抗生物質の出現により激減して,一時は全く影をひそめたかに見えたが,最近またぼつぼつ急性の淋病患者が病院を訪れるようになつて来た.米国では近年,毎年100万人ちかい淋病患者が出,しかもその20%が15才乃至19才の青少年であるところに1つめ社会問題が存在する.本邦では自衛隊員の性病増加が新聞に報じられたのは,奇しくも売春禁止法が実施された直後であり,一部には成程尤もと,うがつた見方をする人もあつた程である.売春禁止が淋病の蔓延に無関係とは断言できないが,それは兎も角淋病を絶滅出来ない所に,梅毒とまた違つた性病対策の難しさがある.男の急性淋病は膿汁排出,排尿痛で直ぐに自覚出来るが,女性の場合頸管に感染しても急性,慢性両期共,帯下の他は特別の苦痛がない為に,感染に気付かず,従つて再び男子に感染させる機会も多くなるわけである.彼の有名なクレーデ氏点眼法実施以前では新産児の10〜14%に淋菌性結膜炎が認められたことは如何に女子に淋病が多いかを示すものであろう.
近頃電気洗濯機の普及につれて,お乳ぎらいの赤ちやんがふえて来たと云われている.
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