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ハイライト
X
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O
pp.40
発行日 1958年7月10日
Published Date 1958/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201683
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麝香
中国の北部,チベツト,シベリヤの一部の標高1,000乃至2,000米の山地に麝(Moschus moschiferus)という小鹿に似た可憐な動物が棲息している.この牡の生殖器のそばに卵形の嚢があつて,この中に軟骨状の軟塊となつて分泌されているものが即ち麝香であり,独特の苦い峻烈な香を発する.この臭は雌を誘惑するものと考えられるが,動物の世界では香は性と密接な関係がある.
人間の体臭を決める主なものは腋臭,俗にワキガである.これは腋窩にあるアポクリン腺という特別の汗腺の分泌物の香で,臭の強いもの程この腺がよく発達しているといわれるが,最近では腋窩皮膚の表面の細菌が香の発生に関係しているともいわれ,細菌を例えば水銀剤の様な殺菌剤で殺せば香も消えると主張する人もいる.
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