講座
食中毒と季節
宮入 正人
1
1国立公衆衛生院疫学部
pp.53-58
発行日 1957年8月10日
Published Date 1957/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201476
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暑さと食中毒,これは昔から洋の東西を問わず,切つても切れぬ縁があります.夏になれば年中行事の様に食中毒事件が新聞紙上をにぎやわせ,1昨年の様に暑い夏の年には,お米の豊作でよろこぶ一方,食中毒の方も仲々御盛でした.最近5カ年間の食中毒事件やその被害者数を御覧になつても件数で2倍強,患者数で約3倍,死者で2倍も多かつたのです(第1表).昭和30年の6,7月の気温が前年に比べて全国的にも高く,特に北陸,東北,北海道は前年に比べて暑かったのですが,食中毒事件もこれと平行してこれらの地方に多発しました.
そこで昭和30年と昭和29年の食中毒件数を月毎に分けて比べてみましよう(第1図).
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