特集 慢性疾患—明日の公衆衛生のために
小児麻痺発見の手がかりと治療
堤 直温
1
1日本肢体不自由児協会
pp.96-97
発行日 1956年5月10日
Published Date 1956/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201181
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1.脊髄性小児麻痺
a)発見の手がかり
極く初期には38度から39度位の高熱が出て,丁度風をひいたような,又はお腹をこわしたような症状を呈するが,この時期の診断は殆んど不可能といつてもよい.しかし夏に1才か2才の乳幼児が,熱を出して風邪をひいたような,又はお腹をこわしたような症状を呈していて,しかも手足を痛がつたり,又首を前に曲げたり,背中を丸くされることを特にいやがるような場合には,一応脊髄性小児麻痺の疑をおくことが必要である.この時に脊髄液を検査して細胞数と蛋白質が多いならばその疑は一層濃くなる.こういう点に注意して患者を観察していると,手足に僅かな麻痺が起つて来てもすぐに発見出来ることが多い.
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