連載 プラトンからはじめる教育学入門・1【新連載】
「国家」は人を考える手がかり
山口 栄一
1
1玉川大学教育学部
pp.610-613
発行日 2007年7月25日
Published Date 2007/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100711
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連載にあたって
●実践に有用な教育学入門を目指します
これから12回にわたって,教育学への入門となるようなものを書くことになりました。これを書くにあたって,編集部から唯一求められたことは,哲学っぽくなく,現場の人に役立つような視点からの教育学を,ということでした。あまりためらいもなくこの仕事をお引き受けすることにしたのは,私自身の関心がこれだった,ということにあります。
というのは,そもそも私自身が教育の方法と技術に携わるようになったのも,「教育のことば」を問題とする分析哲学を学びながら,そこで論じられている議論がいったい私たちの実践にいかなる意味をもつのかという関心からでした。なぜなら,どこまでことばを分析すればよいのかは,その人が納得するまで行うか,あるいは,それを必要とする状況のなかで決まるのではないか,というのが私なりの一つの結論であったからです。教えることに関心のあった私にとっては,目的や状況の中での有用性が大切だと感じていました。
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