特集 慢性疾患—明日の公衆衛生のために
冷感症の治療
中島 精
1
1慶大
pp.98
発行日 1956年5月10日
Published Date 1956/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201182
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冷感症の治療の第1はどうして冷感症になつたかという原因を調べることである.然し実際問題として,どうして冷感症になつたか解らぬことが多い.また冷感症を訴える婦人でも,なかなかほんとの事を云うて呉れないで,困ることがある.元来性感というものは個人的の感情で,どんなものであるか他から推測することが出来ないのが難しい点である.
或る婦人で子供さんが2人ある.見合い結婚であつたが,夫を愛している.夫の何処にも不満はないようである.夫もよく理解して,愛情もあるのであるが,どうしても不満だという.2〜3回面接していろいろと聞いて見たが,どれも原因らしいものがなく困つていたら,手紙で女学校時代に同性愛があつたということを云うて来て呉れた.そして夫にそのように協力して貰つたことがある.
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