甲状腺疾患 診療スタンダードと新たなチャレンジ
甲状腺疾患発見の手がかり 何をもって疑うか
浜田 昇
1
1すみれ病院
キーワード:
Thyrotropin
,
甲状腺機能亢進症
,
甲状腺機能低下症
,
甲状腺疾患
,
甲状腺腫瘍
,
触診
Keyword:
Hyperthyroidism
,
Hypothyroidism
,
Palpation
,
Thyroid Diseases
,
Thyroid Neoplasms
,
Thyrotropin
pp.814-819
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008056067
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一般外来を受診する患者の中にも、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、甲状腺癌などの見逃してはいけない甲状腺疾患が、70~100人に1人はいる。潜在性甲状腺機能低下症まで入れると、その頻度は30~40人に1人となる。見逃さないコツとして、初診時には必ず甲状腺の触診を行う。甲状腺機能異常の症状、徴候から疑う(ただし典型的な症状を訴えて受診することは少ない)、説明のつきにくい一般検査値(TC,ALP,AST,ALT,CK,LDH,ZTT,TTT、赤沈)の異常から疑う、などがあげられる。甲状腺機能異常をスクリーニングしておきたいときは、TSHを測定する。患者は、何らかの症状を訴えて医療機関を受診しているにもかかわらず、甲状腺疾患が見逃されたり、見間違われたりして、非常に重症化している症例がある。実地医家にとって大切なことは、甲状腺疾患を見逃さないことである。
©Nankodo Co., Ltd., 2007