講座
老人の心理(2)
橘 覚勝
1
1大阪大学
pp.22-26
発行日 1956年3月10日
Published Date 1956/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201134
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§3 としよりの年令的区分
上にのべたところから「としより」の時期に一線をひくとすれば,何才ぐらいのところにひけばよいでしようか.従来わが国においても,医者や心理学者や統計学者たちによつて多くの研究が行われ,その結果いろいろな特徴を総合して,人生の年令的区分が試みられています.幼児期,児童期,少年期,青年期,壮年期,老年期という風に.けだしかく生活年令をもつてそれぞれの時期を区分することは,きわめて人為的で,身体や精神にあらわれる特徴を検出して,確然と何才から何才までを児童期,何才以上を壮年期もしくは老年期とただ一本の線によつて区分することは至難なことであり,また危険至極のことでありましよう.アメリカのStieglitzという医者ですが,最近次のようにいつています.
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