連載 保健婦と患者心理・7
在宅患者の保健指導のために
老人の心理とパーソナリティー(2)
加藤 千代司
1
1岩手県立盛岡短大
pp.65-69
発行日 1967年8月10日
Published Date 1967/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204009
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昨年,敬老の日が制定され,全国各地で老人のためにいろいろな行事がなごやかにおこなわれた。NHKでも「都市孤老」と題して現代に住む老人の生き方についてテレビ放送をしたのであるが,ちょうどその時期に老人心理について講演を依頼されていた私にとって,あざやかな印象とある感銘を与えられたのである。
大都市には老人の安住の場がないといわれる。こうした状況のなかで2人の老人が張りあいのある生活をみつけようとして,いろいろのことを積極的に経験していく物語りであった。2人の老人は老人クラブ,老人ホーム,繁華街,芝居小屋等々を歩きまわって得た結論は,「現代は老人にとって生き抜くことの容易でない時であるけれども,新しい環境を自分なりに理解して,社会活動に参加すること」こそ最良のものであるということであった。自分の生き方を考えるということであった。自分の生き方を考えるということを通して,大都会に生きる老人の孤独を考えさせるものであった。
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