2頁の知識
寒冷蕁麻疹について
安田 利顕
1
1関東逓信病院皮膚科
pp.42-43
発行日 1955年12月10日
Published Date 1955/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201077
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蕁麻疹の原因として,物理的刺激がその一つにあげられている.つまり外力により,ひつかいた部分に出来るものは人工蕁麻疹であり,こうゆう人々では,背中に自分の名をかくことが出来る.この他,日光にあたつて出来る日光性蕁麻疹,温熱による温熱性蕁麻疹があるが,もつと多いものが寒冷蕁麻疹cold urticariaである,
これは冷い風,冷水が皮膚にふれて,その部分が蕁麻疹のように紅くはれてくるものである.中には広く,大きなはれとして現れるため,一見蕁麻疹でないようにみえることもある,しかし特長は冷い刺激にふれた皮膚の部分にだけ現われることで,冬になるとこれに苦しむ人が多い.しかし,冬に限つて現れるわけではなくて,梅雨時のように冷え冷えとした時に冷い,雨にあたつても出来る.夏海水浴に際して出来ることもある.その上,一般の蕁麻疹と同じく皮膚に限らず,粘膜,その他体の内部にも出来るため,咽頭気管粘膜がはれて,窒息することもあるといわれる.
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