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世界の波
末松 満
pp.52-53
発行日 1955年8月10日
Published Date 1955/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201005
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総ての物質を細かく刻み,もうこれ以上小さくはならないところまで辿りつけば,それがその物質の原子である.水素の原子,酸素の原子,みな然りだが,原子を更によく見ると(眼では見えぬが)梅干しのように真中に核がある.核は陽子と中性子から出来ており,陽子の数は物質により一定している.例えば水素の原子核には陽子が1箇,酸素なら8箇,そしてウランなら92箇である.
ところが中性子の数は一定していない.ウラン原子核には92箇の陽子に対して143箇の中性子が結びついたものと,146箇の中性子が結びついたものとの両者がある.陽子と中性子の重さは同じだから,原子核の重さは陽子と中性子の数を足してみれば判る.ウランの場合,92+143=235という軽いものと92+146=238という重いものと,2通りあるわけだ.
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