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世界の波
末松 満
pp.64-65
発行日 1954年11月10日
Published Date 1954/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200848
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日本の近海に「鬼ヶ島」が2つある.角の生えた鬼が住んでいるわけではないが,せっかく取戻したアジアの平和が,この島あたりからまた乱されそうな気配があるので,かくは名づけた次第である.
その一つは支那大陸東南の玄関口アモイ港の鼻先きに浮ぶ金門島だ.東西15キロ,南北5キロの小島ながら,ここに蒋介石軍数個師団が屯うし,折あらば支那大陸へ押入らんものと,アメリカ人を先生に招いて猛訓練をやつている.大陸を治めた中共としては,まことに眼ざわりな島ではある.
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