講座
児童心理(8)—学童期(その1)
小林 さえ子
1
1実踐女子大学
pp.30-35
発行日 1955年8月10日
Published Date 1955/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200999
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学童とは小学校に学んでいる児童という意味で,ふつう,6才から11才のおわりまで,小学校に入学したときから卒業までの子どもをさします.学童期は狭義の「児童期」です.そしてこれに隣接している「幼児期」や「青年期」とは異る独自の身体や精神の特色をもつています.学童期は更にこまかく,学童前期(1-2年)・中期(3-4年)・後期(5-6年)と分けられたり,学童前期(1-3年)・後期(少年少女期)(4-6年)と二分されたりします.しかし,もともと発達は連続的な過程ですから,6年間のはじめとおわりとでは可なりな発達の相違がみられます.たとえば,小学校1,2年の学童は幼児の心身の特色を多分におびています.学童2年までを幼児期とする発達の区分があることは,すでに3月号にのべたところです.
以下,わたくし達は学童期についても乳幼時期の場合とおなじように,発達の特性を身体的・情緒的・知的・社会的な側面からみてゆくことにいたしましよう.
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