音楽講座
歌劇「アイーダ」
山本 金雄
pp.54-57
発行日 1955年6月10日
Published Date 1955/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200971
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最近東京と大阪にシネラマという今迄の映画と違つた映画が上演されて居ります.普通のスクリーンの6倍も大きな画面に,人間の眼と同じ160度の角度をもたせ,特殊な装置で立体的に見える様に映写されて居り,音響の方も立体的に聴えるので,丁度生の演奏をきいている様であります.その中に規模といい演奏といい,世界第一を自他共に認めるイタリアのミラノにあるラ・スカラ座で上演された歌劇「アイーダ」の第二幕のフィナーレが全曲演奏されて居りますが,丁度ミラノのスカラ座で見物している様であります.その規模の大きい事,登場人物が数百人にも及ぶ雄大豪華な場面に心躍らせたものでした.
同じ頃東京で上演されました歌劇「アイーダ」はスカラ座の指揮者であつたルツチさんとやはりスカラ座に唱つたポーラさんのテノールによつてラダメスの役を演じ,今迄にない感激を憶えました.
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